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東海道五十三次膝栗毛で
心に残ったこと
(1)
河 口 友 彦
「鈴ヶ森刑場跡」 品川宿を旧道沿いに行くと浜川橋があるが、別名“涙橋”といって
鈴ヶ森刑場へ向う罪人が身内と涙ながらに別れた場所だと言われている。しばらく行くと
処刑場跡が街道道沿いに今もある。ここだけはカメラを向ける気がどうしてもしなかった。
「箱根旧道の石畳」 箱根越えは前から一度歩いてみたかった所だ。特に旧道の
石畳がまだ残っていると言うので期待していった。その期待に違わず思った以上に良く
整備され残されていた。石畳は寄木細工で有名な畑宿から甘酒茶屋を過ぎ芦ノ湖近く
まで続いていた。小田原から登る“東坂”もさる事ながら箱根峠から三島に下る“西坂”
も趣があって良い。石畳は歩くのには、石が硬いせいか足が疲れる。
小田原から箱根へ“東坂” |
箱根から三島へ“西坂” |
「千本松原脇の車中生活者」 三島宿をでて沼津宿に入ると駿河湾沿いに富士川近くまで防波堤が20km以上も続き千本松原がその内側に緑の帯びを連ねている。
この防波堤と松原の間にいろいろな車種の乗用車が停められてそこで生活している人々を見た。サラリーマンをリストラされたり経営が行き詰まりやむなく逃れてきた人達だろうか。ここもカメラを向けることはやめにした。
湖面のような駿河湾と美しい富士山を右手に見ながら防波堤に沿って車中生活者の現場を後にした。
昔、千本松原は東海道線の車内から何回も見てきましたが、一度端から端まで歩いてみたかった。丁度歩いた12月13日は快晴で風もなく気分はまさに最高。
「さくらえびの掻揚げ」 駿河湾の由比宿と言えば桜海老が美味しいところ。
広重美術館の前の小さな店先で地元のおばさんがさくらえびの掻揚げをその場であげて紙に包ん
で売ってくれた。ひとつ160円で揚げたての掻揚げが本当に美味しかった。
街道筋の旧家 |
広重美術館 |
「小野小町姿見の橋」
蔦の細道を越え岡部宿に入り旧道を歩いていると小さな橋に出会った。説明板には次のように記してあった。
『小野小町は絶世の美人であり歌人としても有名であった。晩年に東国へ下る途中この岡部宿に泊まったという。小町はこの橋の上に立ち止まって夕日に映える西山の景色の美しさに見とれていたが、ふと目を橋の下の水面に移すと、そこには長旅で疲れた自分の姿が映っていた。そして過ぎし日の面影を失ってしまった老いの身を嘆き悲しんだという。こんなことがあって宿場の人達はこの橋を「小野小町の姿見の橋」と名づけたという。』
車で通ると気がつかない、見落としてしまう小さな橋だったが、なぜかいつまでも脳裏に残るものがあった。
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